(出典:https://sportiva.shueisha.co.jp/)
プロ野球のシーズン終了後に毎年のように「沢村賞」の受賞者がいますが、
沢村賞と言えば、活躍したピッチャーがもらえる賞なのかなくらいのイメージをもたれている人が多いのではないでしょうか。
ちなみに、ここ最近では広島東洋カープのジョンソン投手や元楽天イーグルス(現在ヤンキース)の田中将大投手が受賞しています。
おそらく野球をしている人でも沢村賞の細かい条件を知らない人が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「沢村賞」の条件や基準をお伝えしていきたいと思います。
沢村賞とは?
まず始めに沢村賞ができた背景をお伝えします。
沢村賞は、そもそもなぜできたのか?
それは、ご存知の方もおられると思いますが、
戦前のプロ野球界に大きく貢献されていた沢村栄治さんの功績をたたえて、1947年に読売新聞社が作った賞です。
ですので、正式には沢村賞ではなくて、「沢村栄治賞」と言います。
その沢村栄治さんは、東京巨人軍(現在の読売ジャイアンツ)のエースで剛速球を武器に、ノーヒットノーランを3度達成したり、優勝決定戦では3連投し巨人の初優勝に大きく貢献していた選手だったのですが、戦争に3度目も出兵し、残念ながら戦死されました。
また、戦争による手榴弾の投げすぎで、肩が壊れたことにより、サイドスローやアンダースローにも転向しながらも、何度も何度もプロ野球界に復帰されていました。
ちなみに手榴弾は約400グラムの重さがあり、今の硬式ボールの重さが約145グラムなので、手榴弾は硬式ボールの約3倍弱の重さになります。
その手榴弾を投げていたようなので、肩を痛めても仕方ありません。
いくらプロ野球選手であっても、無茶ですね。
そして、その後、読売ジャイアンツの背番号「14」を永久欠番したうえで、「沢村賞」ができました。
このような流れで「沢村賞」ができました。
次に、沢村賞の条件をお伝えしたいと思います。
沢村賞の条件とは?
沢村賞は、1947年にできてから、いろいろと変わってきた歴史があります。
実は、現在は全球団から選出されますが、以前は、セ・リーグのみの先発完投型のピッチャーの中からの選出でした。
しかし、1989年からは、パ・リーグを含めて全球団から選出されるようになりました。
それでは、条件面について移ります。
沢村賞の前提条件は、先発完投型のピッチャーであることです。
そして、選考基準となるのが、次の7項目になります。
・登板試合数 25試合以上
・完投試合数 10試合以上
・勝利数 15勝以上
・勝率 6割以上
・投球回数 200イニング以上
・奪三振 150個以上
・防御率 2.50以上
これらの7項目を基準として、5人の選考委員により選出されます。
ちなみに、これら7項目をクリアしても受賞できない場合や、逆に7項目のうち4項目をクリアして受賞しているケースもあります。
ですから、チームへの貢献度なども考慮されているのかもしれません。
例えば、優勝チームのエースとして、チームを支え続けた場合は、受賞されているような気がします。
それにしても、7項目の1つ1つが厳しい基準なので、それを1つ達成するのでも難しいのにも関わらず、それを複数クリアしていることを考えると、沢村賞を受賞している選手は凄いというしかありませんね。
ちなみに、この沢村賞を受賞している選手は、球界を代表するピッチャーばかりです。
最近では、
元日本ハムファイターズ(現在レンジャーズ)のダルビッシュ有投手、
元楽天イーグルス(現在マリナーズ)の岩隈久志投手、
元広島東洋カープ(現在ドジャース)の前田健太投手、
元楽天イーグルス(現在ヤンキース)の田中将大投手、
と現在メジャーリーグで活躍されている有名なピッチャーばかりです。
そう考えると、やはりそのような条件の厳しい基準をクリアできるピッチャーは、世界でも通用するピッチャーなのかなと思います。
(出典:http://matome.naver.jp/)
まとめ!
このように、沢村賞の条件が、少しはわかってきたのではないでしょうか。
沢村賞の条件をまとめてみますと、
先発完投型のピッチャーが、7項目の基準に、5人の選考委員によって選考される賞です。
沢村賞は、1つ1つの項目を達成するのでも難しいので、受賞するのは相当厳しいことがわかります。
また、沢村賞を受賞した投手は、球界を代表するピッチャーばかりで、現在メジャーリーグで活躍されている投手が多いです。
今回は、沢村賞の条件や基準をお伝えしてきました。
野球のルールについて、こちらの記事がオススメです。
野球のルールを知らない初心者に!簡単でわかりやすい説明とは?