(出典:http://blog.livedoor.jp/buschiba/)
野球のルールでは、ランナーは1塁から順に、2塁、3塁と走ります。
そして、各ベースについたランナーが、その塁を通り越してしまって、相手の守備の選手にボールタッチをされると、アウトになります。
しかし、ピッチャーのボールを打ったバッターランナーのみ、1塁ベースを通り越すことが認められています。
それは、なぜなのか?
少し気になるところだと思いますので、
今回は「1塁のオーバーラン」についてのルールついて、解説していきたいと思います。
1塁のオーバーランとは?
野球のテレビ中継で、バッターランナーが、内野ゴロなどで、1塁ベースを通り越すのを違和感なく見ていると思いますが、
実は、あるルールがあるので、バッターランナーのみ1塁ベースを通り越すことが認められています。
その野球規則のルールでは、
「本塁から1塁に進塁する際は、直ちに帰塁することを条件に、滑り込みの余勢のために塁をはなれることは許されている」と定義されています。
少しわかりずらいので、少し補足させていただきます。
この「滑り込みの余勢」とは、
バッターランナーが、勢い余って1塁ベースを離れてしまうことをいいます。
もう一度かみ砕いて説明しますと、
「バッターランナーは、勢い余って1塁ベースを越えてしまわないように、1塁に向かって走る際は、1塁を離れることが許されているということです。
ただし、その条件としては、1塁ベースを通り越しても、すぐに1塁に戻ってください」ということです。
ちなみに、この「オーバーラン」は、別名「オーバースライディング」と言います。
このオーバースライディングは、おそらく、「滑り込みの余勢」というところからでしょう。
ざっくりと言えば、この理解で十分です。
続いて、もう少し具体的な解説をしていきたいと思います。
「直ちに帰塁」とは?
(出典:http://mainichi.jp/)
先ほどの野球規則の中で、
「本塁から1塁に進塁する際は、直ちに帰塁することを条件に...」
とありましたが、その解説ですが、
もし、すぐに帰塁しなければ、どうなるのか?
結論を言えば、アウトになります。
私は、今までそのようなアウトになるプレイを見たことがありませんが、
野球規則では「故意にプレイを遅延させて、速やかに1塁ベースに戻らなければ、アウトになる」ということです。
ですので、1塁を駆け抜けることは、バッターランナーに特別に与えられている権利なので、
もしプレイを遅延させてしまうことになれば、アウトになる恐れがありますから、速やかに1塁に帰塁してくださいね。
ちなみに、このルールは、野球をしている選手であっても知らないルールではないでしょうか。
「2塁へ進む行動」をしたら?
続いては、
バッターランナーが1塁ベースを駆け抜けた際に、内野手が暴投をして、1塁手の後ろにボールが転がっていた時に、2塁に向かおうとしたケースです。
このケースでは、バッターランナーは、1塁ベースを駆け抜けた後、2塁に向かおうとしたら、その時点で、オーバーランの権利を放棄したとみなされるので、
バッターランナーは、2塁に向かうのか、それとも、2塁に進塁するのをあきらめて、即座に1塁に戻らなければなりません。
2塁に向かうケースは問題ないと思いますが、
もし、即座に1塁に戻らなければ、2塁に向かおうという行為をした時点で、オーバーラン権利を放棄したとみなされるので、バッターランナーは1塁に戻る前に、相手の守備の選手に、ボールタッチされれば、アウトになります。
ですので、2塁に向かおうとした時点では、注意が必要になってきます。
野球の基本的なルールについては、こちらの記事がオススメです。
野球のルールを知らない初心者に!簡単でわかりやすい説明とは?
まとめ!
このように、1塁へのオーバーランについて、少し理解が深まったのではないでしょうか。
1塁のオーバーランは、野球規則によって、
「本塁から1塁に進塁する際は、すぐに帰塁することを条件に、滑り込みの余勢のために塁をはなれることは許されている」と定義されています。
また、気をつけなければならないのが、条件の「すぐに帰塁すること」です。
あくまでも、オーバーランは、
バッターランナーにだけ特別に与えられている権利ですので、この「すぐに帰塁すること」には、気をつけましょう。
今回は「野球のルールの1塁のオーバーラン」について、お伝えしてきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
過日の少年野球で以下のような場面がありました。
ライト前へ打球が飛び、ライトが捕って一塁送球。しかし送球はファール側へ少しそれ、バッターランナーは一塁手との衝突を避けるため、ベースを踏んだ後インフィールド側へ。戻ろうとしたところをタグに来た一塁手にタグされてアウトの宣告を受けました。ランナーは次の塁を狙う意思は示しておらず納得のいかない判定でした。この場合、ランナーはどうすればよいのでしょう。(一塁手のタグをかわすためファール側へ遠く走って逃げる?これでは速やかに帰塁することに反する?)ご教示いただければ幸いです。
ご質問、ありがとうございます。
結論から言いますと、バッターランナーは、1塁ベースを踏んだ後、一時的にはインフィールドに入りますが、その後オーバーランをしながらファールゾーンへ入れば、相手一塁手はタッチしなかったと思います。
そして、そのままバッターランナーは1塁ベースに残ることができたはずでしょう。
今回の場面では、バッターは2塁へ進塁する意思を示していないかもしれませんが、「バッターランナーが1塁ベースにすぐに戻ったので、逸れた送球が要因で2塁へ向かう意思があった 」と相手1塁手と1塁審判に見えてしまったのかもしれませんね。
したがいまして、バッターランナーは1塁ベースを踏んだ後、仮にインフィールドに入ったとしても、その後ファールゾーンに入りながらオーバーランをして、ゆっくりと1塁へ戻った方が良いと思います。
そうすれば、相手1塁手や審判には、2塁へ進塁する意思がなく、衝突を避けるためにインフィールドに一時的に入ったと思われますから、バッターランナーはアウトにならないでしょう。
本来は、アウトではないプレイです。
ただ、審判には2塁へ向かうとたまたま見えてしまったため、今回はホント残念な判定になったと思います。