野球の試合中継で、解説者が、「今の守備で、試合の流れは変わりそうですね」ということが度々話されることがあります。

 

そこで、試合には、実際には、流れを変えるというものが存在するのか。

 

そして、実際の経験と、統計学的なものとの比較から、

 

野球の試合の流れの中でも、「ピンチの後にチャンスあり」というものは存在するのか分析してみました。

 

経験から分析した場合

 

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(出典:http://matome.naver.jp/)

「ピンチの後にチャンスあり」は、

 

守備でピンチを迎えて、そのピンチをしのいだ後、試合の流れが良くなり、次の攻撃では、チャンスを迎えるということです。

 

野球においては、攻撃がチャンスをものにすれば、そのチームに試合の流れがいきそうですが、

 

逆に、守備でピンチをしのげば、そのピンチをしのいだチームに試合の流れが向きそうです。

 

そこで、実際の経験、

 

少年野球から大学野球までの経験と、今までプロ野球の中継を見てきたことによるものから、

 

やはりピンチをしのいだ後は、チャンスを迎えていたように思います。

 

特に高校野球では随所に現れているような気がします。

 

夏の甲子園で、試合が延長戦にもつれてしまって、

 

大きなチャンスがあったときに、そのチャンスを逃してしまった後、

 

相手チームに試合の流れが傾き、逆にピンチを迎えてしまって、そのまま負けてしまうということを皆さんも見たことがあるように、多いように思います。

 

これは今までの経験から言えば、物凄く多いような気がします。

 

実際に自分が試合をしているときも、同点で終盤までもつれてしまった場合、

 

自分のチームがピンチを迎えて、何とかピンチを防いだ後、

 

次の攻撃では、先頭バッターがヒットやファーボールなどでランナーに出て、逆にチャンスを迎えて、点数が入ることが多かったように思います。

 

それは、試合の流れがこちら側に傾いたからかなって思うことが、たびたびありました。

 

そう考えると、

 

他のスポーツでも試合の流れがあると言われているように、野球においては、

 

「ピンチの後にチャンスあり」というのは、やはり存在するのではと思います。

 

統計学的に分析した場合

 

これは、「ピンチの後にチャンスあり」というのを統計学的(2005年度のプロ野球セ・パ公式戦の全846試合の結果をもとにデータを作成)にみてみました。

 

ちなみに、ここでのチャンスというのは、

 

「ランナーが得点圏(2塁)に進んだ」ということで検証しています。

 

チャンスを迎えた次の回での得点確率をデータ化(6,020ケース)してみました。

 

 

すると、驚くべき結果が出ました。

 

なんと、

 

 

チャンスを逃した次の回(ピンチの後のチャンス)  26.4パーセント

チャンスを掴んだ次の回(失点後のチャンス)    26.8パーセント

 

このように、チャンスを逃した次の回、チャンスを掴んだ次の回もそんなに差がないということが結果としてわかりました。

 

今までの野球経験では、

 

「ピンチの後にチャンスあり」というのは、たくさん体験してきたので、存在すると思っていましたが、

 

実は、そのようなものは結果としては存在しないということがわかりました。

 

(ただし、この統計学的なデータは、高校野球、中学野球などのデータを取っているわけではないので、これが絶対に正解というのではないというのは、ご承知おきください。)

 

まとめ!

 

このように、

 

野球の「ピンチの後にチャンスあり」というのは、

 

今までの経験から分析したものと統計学的なものから分析したもので言えば、

 

統計学的に見れば、チャンスを逃した次の回、チャンスを掴んだ次の回もそんなに差がないということが結果としてわかりました。

 

ということは、「ピンチの後にチャンスあり」というのは、統計学的には存在しないことがわかりました。

 

おそらくですが、「ピンチの後にチャンスあり」というのが、試合の終盤に起こることがまれにあり、

 

インパクト、印象として人の心に深く残っていることが多いことから、「ピンチの後にチャンスあり」ということが存在すると錯覚を起こしてしまっているのではないかと思います。

 

このように、野球の「ピンチの後にチャンスあり」というのは、統計学的には、存在しないということがわかりました。