(出典:http://wadai-navi01.com/)
プロ野球選手はシーズンオフになれば、国内FA(フリーエージェント)権や海外FA権を行使(FA宣言)する選手がいます。
このFA権の意味とは、そもそも何なのか?
また、FAを行使する際の獲得条件、残留、制約、人的補償などは、どのような仕組みになっているのかが気になるところだと思います。
そこで、今回は海外、国内FA権の取得要件、制約、獲得条件、人的補償などをわかりやすく説明していきたいと思います。
国内FA権とは?
FAとは、フリーエージェントのことで、他の球団(現在所属のチームを含む)と選手契約を締結できる権利をもつ選手を言います。
そのようなFA権を行使することをFA宣言と呼びます。
そして、FAには、国内FAと海外FAがあります。
それぞれ要件が異なっています。
国内FA権の取得条件は、
8シーズンの出場選手登録日数が必要になってきます。
海外FA権の取得条件は、
9シーズンの出場選手登録日数が必要になってきます。
この出場選手登録とは、1軍登録されている選手のことを言います。
この8シーズンというのは、1年間ずっと1軍にいる必要がなくて、1軍登録されている日数が、145日以上あれば、1シーズンとみなします。
基本的には、1シーズンが、4月から9月までと考えた場合、約180日間あるので、約8割の日数に1軍登録されていれば、計算上では1シーズンを満たすことになります。
そう考えると、仮に骨折で、1か月と少しの期間、1軍登録を外れていると1シーズンを満たさなくなります。
ですから、長期の怪我をしてしまうと、要件をみたすのに長いシーズンが必要になることから、少し厳しいことが言えそうですね。
制約・補償とは?
補償には、人的補償と金銭補償があります。
この補償には、現在在籍している球団での年棒によるランクにより、補償が異なってきます。
ランクはA、B、Cの3種類に区分されています。
年棒によるランク分けは、
ランクAは、上位3位までの選手
ランクBは、上位4位~10位までの選手
ランクCは、11位以下の選手
となっています。
このランクによって補償内容が大きく異なってきます。
FA権を行使した時の旧球団への補償ですが、
ランクA
人的補償 プロテクトを外れた選手1名 + 旧年棒の0.5倍の金銭
金銭補償 旧年棒の0.8倍の金銭
ランクB
人的補償 プロテクトを外れた選手1名 + 旧年棒の0.4倍の金銭
金銭補償 旧年棒の0.6倍の金銭
ランクC
補償なし
ただし、FA権の行使が2度目以降になると、この金銭の額は、半分となります。
例えば、ランクA(移籍前の球団での年棒は2億円)の選手が、FAにより移籍した場合は、
移籍元球団は、人的補償なら、1人の選手と金銭補償1億を獲得できるということになります。
また、先ほどの人的補償のプロテクトですが、
FAの移籍先の球団が、あらかじめ、プロテクトリスト(28名)といって、人的補償の対象外の選手をリストアップします。
そして、そのプロテクトから外れた選手を移籍元の球団は、獲得することができます。
このプロテクトですが、基本的には、チームの主力や将来有望な選手をプロテクトするのですが、
まれにチームの主力選手がプロテクトから外れてしまうということがあります。
例えば、横浜DeNAベイスターズの門倉健投手がFAした際に、工藤公康さんを獲得するということがありました。
このように、かなりの実績の選手がプロテクトから外れてしまうケースもあるので、
移籍元のチームは、有力選手を失ってしまう戦力ダウンもありますが、獲得できる選手が実績のある選手であれば、結果を残してくれるのかもしれないという期待もできるので、そのあたりは楽しめるのではないでしょうか。
野球のルールについて、こちらの記事がオススメです。
野球のルールを知らない初心者に!簡単でわかりやすい説明とは?
まとめ!
このように、シーズン終了後には、ドラフトやFA宣言などで各球団が来シーズンに向けての補強を行います。
ドラフト指名選手は、未知なる可能性があり将来が楽しみですが、
FA宣言する選手は、それなりに実績を残している選手であることが多いので、有力選手の動向が楽しみですね。
今回は、FA権の取得条件、移籍した際の補償などをお伝えしてきました。